米朝首脳会談で世界が平和になるかと思われたが…

米朝首脳会談が実現し、ようやく世界が平和になるかと思われたところ、2018年後半に入り、米中の貿易戦争がはじまりだした。またトランプ大統領は中国だけでなく、日本やEU、カナダ等の諸外国にも同様に輸入制限や関税をかけだした。世界全体に対して貿易戦争を仕掛けたとも言える処置だ。

 

アメリカファーストを当初より打ち出してはいた。

トランプ大統領は当初より、自国アメリカを最優先にするべくアメリカファーストを打ち出していた。大統領や総理、首相といった政治的主導者が自国の利益を最優先に考える事は間違ったことではない。しかし、度を過ぎた自国利益優先は他国からの反感を集め、長期的には自国の利益を損なう可能性が存在する。

 

米中貿易戦争の開始。

貿易戦争の引き金になったのは、トランプ大統領が「米国の安全保障に対する脅威」に対抗するためとして鉄鋼製品を25%、アルミ製品を10%の関税をかけたことに始まる。その後、「米国の知的財産が侵害された」として中国からの電気製品や自動車などのハイテク分野に対しても25%の関税を付ける事とした。

 

これに対して中国も黙っておらず、大豆やとうもろこし、トラックや航空機などの米国の主要産業とも言える分野に対して同じく25%の関税を課すと共に、それに対してアメリカは追加関税も検討と揺さぶりをかけており、報復のやりあいが発生している状態になっている。また、中国以外のEUやカナダ等についても、対米報復として対抗処置を打ち出しており、世界的な対米貿易戦争が始まりつつある。

 

軍事戦争の多くは経済が発端

貿易戦争というと、軍事戦争と比べて平和的にも見えてしまうが、過去の戦争や世界大戦についてもすべからず理由は「経済」であった。第二次世界大戦において、ドイツやイタリアがファシズムに走ったのは米国を発端とした世界恐慌およびニューディル政策やブロック経済による対外関税、現在の貿易戦争の構図と同じものであった。大東亜戦争時代の発端となったABCD包囲網も経済制裁だ。貿易戦争による経済への影響はそのまま軍事戦争につながりかねない。

 

現時点では米国の勝利が濃厚か

現状、米国のダウや中国の上海指数をみている限り、米国のダウが上昇している。世界の投資家は米国が勝利する未来を想定しているようだ。しかし、この貿易戦争の影響でZTEが破綻し国営化されたとの報道も出ており、中国が今後本格的な報復に出ていく事も想定される。そして、中長期的には当然に日本も大きな影響を受けるだろう。軍事戦争に発展しないことを祈ると共に、日本経済に今後どの様な悪影響を与えていくか予断を許さない。